引用元:<http://gigazine.net/news/20160119-food-hacking-electric-fork/>
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食べ物に電気を流して味を変化させる「エレクトリックフォーク」は塩分過多の食生活に革命を巻き起こす?
動物の五感のひとつである「味覚」は、甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つが基本味として位置づけられています。これら従来の味覚を拡張する新たな刺激「電気味覚(エレクトリックテイスト)」を研究している東京大学の中村裕美さんに、世界の食にまつわるトピックを取り上げるYouTubeチャンネル「Munchies」がインタビューを行っています。
エレクトリックフォークの開発を進めている中村裕美さん。「私のデバイスのように、電気が流れる部分を直に舌に当てて使うようなデバイスを作っている人もいるんです」と、電気味覚に関する研究を進めているのは自身だけではないことを明かします。
また、電気味覚に取り組む理由について「私にとって、フードハッキングというのは食べ物があって、その上で味を拡大したり縮小したりするもの。実際の料理でそれらを行うのではなくて、人間の感覚を使ってそれらを起こすようなことをやっていきたいと思っています」と語ります。
クローズさんと中村さんによると、エレクトリックフォークで電気を流すと、サンショウなどのスパイス感や、炭酸に似たピリピリが加わるようです。中村さんが電気味覚を研究し、自分で食べ物に電気を付加するようになってから3、4年が経過しているそうですが、これについてクローズさんは「まだ生きてますね」とコメントしています。
中村さんによると、電気味覚自体は250年ほど前から存在する概念だそうで、これを発見したのはスイス人学者のJohann Georg Sulzer。また、電池を発明したアレッサンドロ・ボルタも電気が味覚に影響を与えることに気付いていたそうです。なんと、ボルタは種類の違う2枚の金属プレートを舌にはさみ「何か味がする……」と感じたことがきっかけで、電池を発明することに成功した模様。
クローズさんが「電気味覚は本当の味覚?」と質問すると、中村さんからは「本当の味覚ではないです。味覚は甘味・酸味・塩味・苦味・うま味の5つで、人間の舌にそれぞれを感知する部位があります。電気が味なのかそれ以外の何かなのかは長らく調べられていて、(私の見解としては)味にすごく近い……味」とコメント。クルーズさんが「それじゃあ炭酸は?」と質問すると、「炭酸も味とは少し違います。でも、感じ方としては味にすごく近いですよね。例えば、カプサイシンやメンソールなどの『味に近いもののカテゴリ』に(電気味覚は)近い」と中村さんは回答。
例えば通常の料理の場合、醤油を一度入れると取り除くことはできませんが、エレクトリックフォークを使えば電気を調整して味を調整できる、とエレクトリックフォークや電気味覚の活用方法について語る中村さん。日本の醤油やみそは塩分が多く塩分過多な食生活を送る人も多いですが、エレクトリックフォークを使えば少量の塩分でも味覚的に満足することが可能となり、高血圧症などの対策にもなり得るということで、クローズさんは「素晴らしい!」と絶賛。
エレクトリックフォークは、先端に付いている金属のフォーク部分が片方の電極になっており、持ち手部分に巻かれた金属部分がもう片方の電極になっています。食べ物をフォークで刺して口の中に含むことで回路ができ、体に電気が流れ、口からフォークを離すと回路が切れて電気も止まる模様。つまり、「フォークを口から離す」という行為がスイッチの役割になっています。
今後の展望について聞かれた中村さんは、「自分でビジネスとして立ててもいいんだけど、そうすると自分の興味を離れてしまう。だから、まずはいったん世の中に出してみてどういう反応をするか見てみたい」とコメント。
また、「耳で聞いてる音楽の刺激も、イヤホンやスピーカーにくるまでは電気で、そこから振動に変換されている。その電気をそのままこっち(エレクトリックフォーク)につなげてあげて、そのまま舌にのせることができれば、YouTubeやSoundCloudがそのままTasteCloud(テイストクラウド)になる」とも語っています。
このテイストクラウドっていうのは、味そのものをインターネット上にアップロードして共有するようなもののことを指しており、これを使えば誰でも味を再生して楽しむことが可能で、「音楽編集ソフトで味を調整することもできる」と中村さん。
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これは面白いですね。
味気ない介護食や病院食をこの魔法のフォークを使えば、自分好みの味に変換できるかもしれないってことですよね。
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