引用元:<http://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/1509/24/news093.html>
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“モノの指紋”でニセモノを判定できる技術が登場
NECは2015年9月24日、工業製品・部品の表面に自然発生する微細な紋様(物体指紋)をもとに個体を識別し、真贋判定が可能な「物体指紋認証技術」の強化に成功し、さまざまな材質の認証が可能になったことを発表した。
「物体指紋」とは、金属やプラスチック製品/部品を製造する際に自然発生する、微細で固有な紋様を指す。工業品であってもそれぞれが別個の紋様を持つため、生物の指紋と同様に、個々の認証に活用することが可能だ。物体指紋認証技術とは、この物体指紋をカメラにより撮影し認証を行う技術である。
同社は2014年11月に金属における「物体指紋認証技術」の開発を発表している※)。物体指紋をあらかじめカメラで撮影して3D画像データとして登録しておき、確認時にこのデータと新たに撮影したデータを照合することで正誤や真贋を判別するシステムだ。指紋照合も、物体指紋をデータベースに登録するために行う事前の撮影も、スマートフォンなどに内蔵されたカメラで行える。照合作業についてはNECのクラウド上で行うが、この認証・照合アルゴリズムなどがNECの独自技術だといえる。
認証手法を増やし金属以外の材質に対応
前回の発表時でも、金属など光を全反射する素材については認証精度が実用に耐え得るレベルに達していた。しかし、プラスチックなどの光沢と透過を含む材質や、繊維や塗装物などの凹凸面による影がある場合などはうまく認識ができない場合があった。
しかし、今回は新たに紋様の画像認証とともに、特徴抽出技術を組み合わせることで他の材質における認証精度を大きく高めることに成功した。新たに認証手法に加えたのは、金属におけるFIBAR特徴抽出、プラスチック樹脂などの光沢特徴抽出、塗装・繊維などにおける影特徴抽出で、従来苦手だった認証をカバーすることに成功。多様な製品への適用を可能とした。
NEC 情報メディアプロセッシング研究所 映像理解テクノロジーグループ 研究部長の宮野博義氏は「既に金属では、1万本のボルトをミスなく個体判別することに成功しており、ミスの確率は1億分の1以下だといえる。まだ詳細なデータを取得したわけではないが、今回の技術強化により他の材質でも近い領域の精度が出せる」と述べている。
偽装品対策として“抱っこひも”のエルゴベビーが採用
既に同技術は採用事例がある。米国大手ベビー用品メーカーのエルゴベビーが展開する“抱っこひも(ベビーキャリア)”だ。2015年11月に発売する新製品から、この物体指紋による個別認証可能な製品を発売し、偽造品対策に乗り出す。同社の日本正規総代理店であるダッドウェイは「Webショップや店舗などで正規取引のない企業が提供する偽装品を検査し、偽装品であると証明されればしかるべき手続きを取る」(同社)と述べている。
NECにとってこのエルゴベビーの導入事例は、物体指紋認証技術の導入事例第1号となるが「既に実証実験レベルでの導入や共同開発などは数多く行っている。偽造品対策などのニーズも多いが、トレーサビリティなど工業の上流での成果も伸ばしていく」とNEC 情報・メディアプロセッシング研究所長の山片茂樹氏は述べている。
山片氏は同技術の強みについて「偽造品などの認証技術の活用には、読み取る装置や認証するタグなどの用意など多額の対策費用が必要になる。物体指紋認証技術を活用すればこれらの費用は大きく低減することが可能だ。またトレーサビリティなどの活用で考えても、タグなどの設置が難しい部品や素材などにおいても認証が可能である強みがある」と語っている。
劣化後の製品の認証を可能に、中古市場を視野
今後に向けては、使用時に劣化した製品でも認証できるような技術開発を現在進行中だという。「現状は工業製品の上流工程での使用を想定しているため、使用時に劣化することを想定した認証手法にはなっていないが、今後はこれらの劣化も含めた認証を可能にしていくことで中古製品などでも活用できるようにしていく。また、撮影条件と認証技術の組み合わせを最適化することにより、ユーザーの使い勝手を考慮した認証手法を確立していきたい」と宮野氏は述べている。
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モノの指紋を見極めるという発想が面白いですね。
ホンモノのデータベースの蓄積がないとニセモノの判別できないってことですかね。
質屋さんとかに導入したら、ブランド品査定に対するお客さんの納得度も違うかも!?
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