引用元:
<http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20130810010490001.html>
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「人工知能の星新一」めざす 松原仁教授
今挑戦していることは、人が読んで面白いと思う小説をコンピューターの人工知能(AI)に創作させること。それも「ショートショートの神様」と呼ばれた星新一(1926~97年)みたいな作品をだ。
「人工知能の定義は確立していないが、大まかに言えば、コンピューターに人間のような知的なことをできるようにすること。中でも小説をつくるという『感性』を研究することで、将来、機械が人間の感情を理解することにつながるはずだ」という。
現在、名古屋大や法政大など10人の研究者と学生10人で研究チームをつくり、1千作を超える星氏の作品のストーリー構想、単語、文章表現、ジャンルなどをコンピューターで分析する作業をしている。星氏を選んだのは、ショートショートと呼ばれる4千~6千字の作品が多く、水準が高いことなどが理由だ。
2017年度を目標に作品を生み出し、AIが作ったとは分からないペンネームで文学コンテストに応募して、入賞をめざしている。「星さんが生きていれば生み出しただろうと読者が思えるような作品ができれば大成功です」
松原さんは、コンピューター将棋の分野でも知られた存在だ。AIによる小説の創作も、基本は「評価関数」というコンピューター将棋と同じ考え方を使う。
近年、強豪のプロ棋士を破るほどの能力を持つまでになったコンピューター将棋のAIは、ある局面から十数手先まで先を読んで、それぞれに自分に有利か不利かの点数を付ける。そして、点数の最も高い手を指すという仕組み。その局面の判断も、プロ棋士が指した膨大な量のデータを分析した上で行っている。
小説の創作も、星作品の過去のプロットを分析し、組み合わせを変え、点数の高いものを並べていってストーリーを組み立てていく。今年度は140字程度の短い文から始め、来年度は400字程度の「ケータイ小説」ぐらいと、徐々に文字数を増やしていくことにしている。
「できるのはほとんどが駄作かも知れないが、コンピューターの性能も30年前と比べものにならないほど上がってきている。何とか賞が取れるぐらいのものはできるのではないか」と期待を込める。
幼稚園のころに見たテレビアニメ「鉄腕アトム」にあこがれた。その中でもアトムを支える「お茶の水博士」みたいになろうと思った。ロボット工学を志し、大学時代に人工知能を知る。当時、まだ表だって研究しづらい雰囲気だった将棋のプログラムを組み始めたのも、趣味の将棋を生かしたから。結果、それが現在の研究に役立っている。
究極的な夢は「アトムを作ること」と言う。「もちろん生きているうちにアトムができるとは思っていませんが、アトムに近づくための技術を次の世代に託すことはできると思います」
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将来的にはゴーストライターならぬロボットライターが登場するかもしれない・・・。
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