ダイヤモンドより硬い物質!?

ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素によるダイヤモンドは最も硬い物質のひとつだ。
ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素によるダイヤモンドは最も硬い物質のひとつだ。

引用元:<http://www.tel.co.jp/museum/magazine/news/061.html

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ダイヤモンドを上回る硬さの新物質

 

ダイヤモンドといえば天然で最も固い物質だが、それを上回る硬度を持った物質が開発された。中国の燕山大学、吉林大学、米国のシカゴ大学、ニューメキシコ大学などの研究チームが発表したこの新物質は無色透明で硬度が高い点は、ダイヤモンドに似ている。しかし、ダイヤモンドが炭素で出来ているのに対し、新物質はホウ素と窒素でできた「ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素」なのである。

 

物質の「硬さ」にはさまざまな基準があるが、最も広く普及しているビッカース硬度は、正四角錐のダイヤモンドを計測する対象物質の表面に押し込んで、できたへこみから硬度を算出する。人工ダイヤモンドのビッカース硬度は100GPa(ギガパスカル)、ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素は108GPa。天然ダイヤモンドは70〜150GPaなので、それよりはやや劣る。窒素とホウ素でできた物質としては立方晶窒化ホウ素という物質があり、すでに商品化もされているが、ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素はこれの2倍以上硬いということになる。

 

ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素は、窒化ホウ素のナノ粒子から作られる。このナノ粒子は窒素とホウ素の原子がタマネギのように層状になっており、ペレットに押し込め1800℃の高温で圧縮すると、ナノ双晶型立方晶窒化ホウ素になる。

 

研究を主導した燕山大学のTian博士によれば、超硬度の物質を作成するため、従来の研究では個々の粒子の間隔を狭くしており、粒子同士の距離が一定の値(約10ナノメートル程度)を超えると構造が弱くなるという欠点があったという。

 

これに対して、今回の研究ではナノ双晶構造を用いているのが特徴だ。双晶というのは2個以上の結晶が、ある幾何学的な規則性で一体として結合しているもののこと。ナノ双晶構造を持った窒化ホウ素は、粒子間の距離が平均3.8ナノメートルでも安定した硬度を示す。

 

窒化ホウ素は硬度以外にも、メリットがある。ダイヤモンドは高温の環境では鉄などの金属と化学反応を起こすが、窒化ホウ素は高温でも安定している。そのため、これまでダイヤモンドドリルが使えなかった材質の加工など新たな利用の可能性が考えられている。

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実はダイヤモンドより硬い物質があった・・・。

 

今までダイヤモンドがこの世で一番硬い物質だと教えられてきた者としてはややショックを隠せない・・・w

 

 

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コメント: 5
  • #1

    ラマン分光ファン (土曜日, 12 10月 2019 14:08)

    硬いことが、不具合をおこすことも。ダイセルの久保田博士が内燃機関シンポジウムでCCSCモデルという境界潤滑理論を発表している。

  • #2

    博士賞賛 (月曜日, 11 11月 2019 22:19)

    C.C.yang and S.Li: J. Phys. Chem. C 112, (2008), p.1423. -1426.

  • #3

    ラマン分光ファン (土曜日, 23 11月 2019 07:27)

    内燃機関シンポジウム「境界潤滑現象の本性」のボールオンディスク試験やりかたとてもさんこうになりました。

  • #4

    鉄の道サムライリスペクト (火曜日, 15 10月 2024 09:24)

    最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。

  • #5

    ベアリングエンジニア (火曜日, 15 10月 2024 09:27)

    「材料物理数学再武装」といえばプロテリアル(旧日立金属)製高性能特殊鋼SLD-MAGICの発明者の方で久保田邦親博士(工学)という方のの大学の講義資料の名称ですね。番外編の経済学の国富論における、価格決定メカニズム(市場原理)の話面白かった。学校卒業して以来ようやく微積分のありがたさに気づくことができたのはこのあたりの情報収集によるものだ。ようはトレードオフ関係にある比例と反比例の曲線を関数接合論で繋げて、微分してゼロなところが最高峰なので全体最適だとする話だった。同氏はマテリアルズ・インフォマティクスにも造詣が深く、AIテクノロジーに対する数学的な基礎を学ぶ上で貴重な情報だと思います。それと摩擦プラズマにより発生するエキソエレクトロンが促進するトライボ化学反応において社会実装上極めて有効と思われるCCSCモデルというものも根源的エンジンフリクション理論として自動車業界等で脚光を浴びつつありますね。

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