引用元:東洋経済ONLINE 中原 圭介<http://toyokeizai.net/>
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日本人の健康・長寿は世界一のブランド力先端医療+観光で外貨を稼げ!
世界的な健康・長寿への関心の高まりもあって、医療ツーリズムの市場規模は8兆円に達するという試算もあります。日本の先端医療の技術があれば、海外の富裕層や中間層を対象に、医療ツーリズムで外貨を稼ぐことは難しいことではありません。
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医療ツーリズムも、医療産業としてだけではなく、観光の要素も取り入れたサービス産業であるという考え方が大切です。たとえば、先端の医療技術や医療設備を揃えるのはもちろん、長期療養で滞在している患者や海外からお見舞いにやってくる家族や友人のために、さまざまな娯楽用の施設を整えることは、大きな付加価値を生み出すことになるでしょう。温泉に近い病院なら、地域のホテルや旅館と提携した家族向けのサービスを提供できるでしょうし、海のそばにある病院なら、海水浴や釣りといったレジャーを楽しめる施設が喜ばれるかもしれません。歴史や文化のある街なら、日本の伝統文化に触れる機会を設けることもできるでしょう。
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病院の経営努力については、日本の先を行く東南アジアの病院に学ぶべきところが多いでしょう。例えば、マレーシアのIHHヘルスケアの病院経営は、これからの日本の医療産業にとって非常に参考になるでしょう。IHHヘルスケアは、クアラルンプール証券取引所などに上場もしているアジア最大の民間病院運営グループです。市場から約1500億円もの資金を調達し、それを元手に、アジアや中東などの新興国で富裕層向け医療サービスの拡充をはかっています。また、タイのバムルンラード国際病院は東南アジア最大級の病院ですが、海外からの患者の受け入れが増加傾向にあり、業績も絶好調な状況にあります。2008年リーマンショック後の世界的な経済危機にあっても成長を続ける医療産業は、今や不況に強い産業の代名詞となっているのです。日本の病院もこれらのアジアの病院から、経営ノウハウを大いに吸収していく必要があるでしょう。
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昨日に引き続き、意外な日本産業の国際化についてのご紹介です。海外の方に、日本を連想するものはと聞くと、だいたい家電製品、車などの大手メーカの名前が出てきます。
これからはこうしたモノづくりの印象だけでなく、上記の記事のように、医療大国としても世界の中で存在感示していく日もそう遠くないのかもしれません。
医療を産業として、つまりビジネスとしてとらえることにやや違和感を持たれるかもしれませんが、記事によるとそこにはちょっとした工夫が必要だそうです。
それは「医療」に「観光サービス」という要素を掛け算することだそうです。そうすることによって「医療ツーリズム」という新たな可能性に満ちあふれた産業が生まれてくるのです。
医療というのは我々が生きていくためにはなくてはならないものですが、どこか神聖すぎて近寄りがたい存在に感じなくもありません。
自分のまわりで病院が大好きでいつも行くのが楽しみだと考えている方に会うのはかなりレアだと思います。
でも、記事の具体例にあったように、地域のホテルや旅館と提携した家族向けのサービスだったら、温泉のついでに検査もしてくれるんだったら、行ってみようかなという気にはなると思います。
この記事でいちばん注目すべき点は、日本は世界トップクラス医療技術もっていながらも、サービス化や事業化という点においては東南アジア諸国に比べてまだ遅れているという点である。
今後の医療の産業化のカギは、先進国・途上国問わず世界から学びとろうとする謙虚な姿勢と態度なのかもしれません。
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