同じ本を違う年齢や違う場所で改めて読んだときに、今までにない新しい発見や理解度が深まった経験などをしたことはないですか?
実は最近、自分の本棚を整理したしときに、新潮文庫「一勝九敗」という本のタイトルのインパクトに思わず目が留まり、そのままあっという間に読んでしまいました。
「一勝九敗」の著者は日本を代表する経営者の一人であるユニクロの柳井正氏。
学生の時には比べられないほどの多くの新鮮な発見がありました。
個人的に、特に衝撃を受け、改めて深く考えさせられたた部分は、「会社」についての定義です。
引用元:「一勝九敗」P18-19
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「会社」とはどういうものか、考えたことはおありだろうか。
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会社とは本来、つねに実体がなく、非常に流動的で、永続しない可能性の強いものなのだ。そもそも、最初にビジネスチャンスがあって、そこにヒトやモノ、カネという要素が集まってきて、会社組織という見えない形式を利用して経済活動が行われる。しかし、経営環境は常に変動する。当然のことながら、金儲けやビジネスチャンスがなくなることがある。そうすれば、会社はそこで消滅するか、別の形態や方策を求めて変身していかざるを得ない。会社とは一種のプロジェクト、期限のあるもの、と考えるべきではないだろうか。収益を上げられない会社は解散すべき、ともいえよう。
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会社とはもともと期限のあるものと考えるべきで、新しい事業の芽を出し続けない限り、賞味期限が切れたらそこでお終いなのだ。その本質は常に変わらない。会社は安定成長を続けると、形式的に動くようになり、管理組織も次第に肥大化し、意思決定のスピードが鈍くなる。会社というもの、事業=商売というものは、安定や形式とは反対に位置すべきものではないだろうか。
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日々、同じ会社で働いていると、毎朝通勤している会社がまさか突然倒産してなくなるとはなかなか考えずらいことですし、あまり考えたくないのが普通だと思います。
たとえ、大手会社の倒産を伝えるニュースをテレビ越しで今までたくさん見てきたにもかかわらず、ついつい他人事にとらえてしまうのは人間の悲しい性だといえます。
会社を一つの流動的な期限付きプロジェクトだと捉え、時代の変化に柔軟に対応していきながら、自分たちの会社組織内を活性化することがそうした悲しい性に打ち勝つ大切な考え方なのかもしれません。
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